心臓ドック

心臓ドックは、一般の健診では発見することが難しい虚血性心疾患や弁膜症・心筋症・不整脈などをより正確に診断することが最大の目的であり、治療や日常生活を改善する為により明確で具体的な指標・アドバイスを提供するのである。一般的な健康診断では、血圧・心拍・心電図などを用いて、安静時の評価を行うのが基本である。
我々人間というのは睡眠時を除いて常時活動しており、血圧や心拍数・心電図で測定するとダイナミックに変化していることが分かる。保健指導においても、積極的な身体活動の取り組みを促していることも多く、運動を始めてみようとしている受診者や、すでに自発的に運動に取り組んでいる受診者に対して安全で尚且つ効果的なその人に合った運動の目安を提供してあげることが大切である。このように運動を行っても良いとされるのは、基本的に生活習慣病の進行が中程度以下であり・心血管病でない受診者であるのだが、実際のところは散歩やウォーキング・軽い運動・マラソン・球技等すべて受診者の自己責任・自己管理なのである。無症状で不整脈や虚血性心疾患を合併する可能性があり、中高年者の運動中に起こった突然死などはこれらの心血管病が潜んでいたと考える必要がありそうだ。
従って、自分自身や一般的な人間ドック健診では気づけない心血管病を早期発見する為にも、心臓ドックとは意義あるものだと思われる。